なぜこの国には、神道と仏教の間に根深い対立が起こらなかったのでしょうか。やはり、そんなことはどうでもいいと思ってしまうような何かが、DNAに刻まれているのでしょうか。

そもそもの宗教的土壌であるアニミズムが根強いので、異なる系統の神格もその大きな枠組みのなかへ取り込んでしまえる、ということでしょうね。神道的神格も仏教の仏や神々も同一のレベルで信仰しているので、その経歴や相違に矛盾を感じないのでしょう。そうした意味で日本の宗教形態は、極めて包容力の高い列島独特の「宗教」なのだ、といえるかもしれません。