沖縄旅行にいった際、現地の人が口にした、「人間は何でも食べますからね」という言葉が印象に残っています。沖縄などには、本州とは異なる殺生功徳論があるのでしょうか?
北海道や沖縄は、いわゆる本州とは少し印象を異にする食文化が展開しています。それは、食文化を支える生業体系、社会・経済体系の差異によるものと思われます。沖縄は、元来南島的な狩猟採集文化の発達した地域でしたが、その後長らく中国的文化圏に属し、戦後はアメリカ文化も急速に浸透しました。複雑かつ他系統な食文化が醸成されたうえに、仏教もあまり根付いていません。「何でも食べる」という発言は、そうしたところから発せられているのかもしれませんね。