今ある神社は、すべて独立棟持柱を持っているのでしょうか。 / 弥生時代の建物は、どのように復原されたのでしょうか。なぜ独立棟持柱があると推定できたのですか。 / 日本に巨大建築を建てるほどの巨木があったのでしょうか。

独立棟持柱を有するのは、伊勢神宮の社殿に起源する神明造の神社建築です。これを神社建築の古態と考え、その原型を弥生の巨大建築にみるのが「弥生神殿論」です。池上曽根遺跡の巨大建築は、遺跡に残る柱穴や、各種の土器絵画などを参考に、現在の姿を想定して復原されました。当然「復原案」であって、その姿が弥生時代の事実そのものではありません。神明造を古態としてよいかとの疑問もあり、充分な決着はついていません。なお、古墳時代に至る日本には大径木も各地にみられ、鉄材と引き替えに朝鮮半島へ輸出されていたことが判明しています。