青銅器を大量に出土した遺跡が島根県に集中しているのは、出雲の神話的風土と関係しているのでしょうか。

奉献説や贈与説は間違っていないと思うのですが、出雲についてはそれとともに、早くに青銅器祭祀を放棄して墳丘祭祀に移行した点も併せ考えるべきなのでしょう。近畿や北九州に比べ、山陰では早期に四隅突出型の墳丘や特殊器台を用いた祭祀形式が採用され、青銅器祭祀が省みられなくなってゆきます。青銅器の一括埋納遺跡には、そうした「放棄」の意味合いもあったのかも分かりません。