日本では太占として鹿骨を扱っていましたが、中国では亀や牛の骨が使われていたとのこと。この相違は一体何を意味するのでしょう。

中国でも、狩猟採集時代には鹿骨を使用していました。これが、牧畜の開始に伴って牛や羊へと移行し、殷代に亀甲が主流になってゆくのです。しかし、中国東側の山東半島周辺では、中原地域で牛骨や亀甲が主流になった後も、鹿骨を用いて卜占が行われていました。朝鮮半島や日本列島は当初その文化圏に属していたようで、朝鮮半島では未だに卜甲は出土していません(卜骨のみです)。日本列島は、弥生時代には鹿骨を用いた骨卜が主流ですが、古墳時代以降は、次第に亀卜を正統とする方向へ変化してゆきます。