漢風諡号の使用意図は何ですか?

もともと諡号とは、亡くなった王・皇帝などに対し、その治世や業績を象徴するような称号として贈られたものでした。原型である古代中国王朝では、その業績に応じて一定の称号が贈られており、最上級のものは「文」「武」、最下級のものは「霊」などと付けられています。王朝を起こした人物は文王・武王・文帝・武帝、逆に衰滅させた人物は霊王・霊帝などが多いわけですね。日本では、奈良時代後半、天平宝字年間頃に一括して遡り制定されたのではないかと考えられていますが、実は、限られた人物を除いて明確なところは分かっていません。天平宝字年間には藤原仲麻呂によって唐風化政策が採られており、それに基づくものとみられるわけです。以降はそれに倣いますが、正式に制定されたものかどうか判明する事例は少ないのです。