調と贄の違いとは、稲かそうでないかということでしょうか。また、海産物も「初尾」と呼ばれるのでしょうか。

稲作を主要な生業としている村落と、狩猟や漁労を生業としている村落とでは、定住のあり方も含め共同体としての構造が異なります。よって、支配の仕方についても異なる施策を用いねばならない。調と贄とは、名称だけでなく、支配対象としての共同体の把握の仕方が違うのだと考えられます。例えば、水田地域は計測に基づき空間を正確に把握し、適切な税を算出することができますが、山や海の場合はそれができません。ちなみに、魚の場合も1尾、2尾…と数えますので、初尾でよいかと思います。現代でも、鵜飼い漁法で捕った鮎を「初尾」と呼んでいます。しかし、古代にどう呼んだのかという直接的な史料はありません。