縄文の環境調査で一般的なものはありませんか。縄文時代がよく分かる遺跡を知りたいです。

やはり、青森県三内丸山遺跡でしょう。出土遺物も豊富な大規模な村落遺跡であり、縄文前〜中期の高度な自然利用のあり方が非常によく分かります。しかし、それもあくまで時代的・地域的に限定された情報に過ぎないわけで、縄文時代の総体を理解しようと思うなら、やはり他にも幾つかの時代・地域を異にした遺跡の様子を知っておく必要があります。とくに近年の歴史学は、対象の包括的な普遍性、一般性よりも、個々の事例の固有性、多様性を重視するようになってきました。「神は細部に宿る」といいますが、細かな歴史の襞に分け入ってゆくことこそが求められています。