倭の五王が朝貢していた時代の中国で、倭はどのように捉えられていたのですか。邪馬台国の頃のように、外交上重要視されていたのですか。

講義でも少しお話をしましたが、南朝の宋にとって、北朝を統一し安定的な政権を築いていた北魏は脅威でした。長江を挟んでその国と対峙するためには、西南地域を安定させ、また朝鮮半島を味方に付けて自国にとって有利な政治的局面を作り出したいとの思惑があったはずです。朝鮮諸国も宋に対して朝貢し、府官制のもとでの官職を得ていましたが、諸国の申請に対して叙授/不許可を使い分けることで、半島情勢をコントロールしようとしていたのだと考えられます。すなわち、宋も倭王権を利用し、倭王権も宋を利用していたとみることができるでしょう。