龍神や亀というと青龍・玄武を思い出しますが、亀は占いに使われるものの神としての扱いをされていないのが不思議でした。それとも占いに使うということは、すでに神聖視されているということでしょうか。

亀卜の論理について伝える最古の文献、『史記』亀策列伝では、術者は亀卜を行う際、亀の精霊を祝福し予言を引き出す形で卜占を実践します。カミの定義が問題となりますが、易は筮竹に宿る植物霊に、骨卜・亀卜は骨・甲羅に宿る動物霊に働きかけ、人知を超える告知を受け取ろうとしていることは確かです。術者は動物霊に従属しているわけではなく、逆に動物霊が術者に従属しているわけでもありません。しかし、卜占がアニミズム的な信仰に基づいて行われていることは自明で、その意味では亀は神的な存在であるといえるでしょう。