呪術によって病を祓うという考えに対して、その呪術を疑う人はいなかったのでしょうか。

前近代社会においては、現代より呪術的価値観が広く浸透していたと思われますが、もちろん、それを疑う人もいたでしょう。奈良時代随一の知識人である吉備真備は、その家訓『私教類聚』に、中国の『顔氏家訓』を引用しながら、卜占や呪術をあまり信用してはならないとの戒めを残しています。