飛鳥時代の初め、日本は隋や半島に後れを取り孤立してきたといっていましたが、それはなぜですか。
日本列島は、古代においては、おしなべて東アジアの後進国です。中国や、それと直結する朝鮮諸国から先進的文化を摂取することで、成長してきたといって間違いありません。この時期には、南北朝の動乱のなか、倭の五王以降は中国王朝と直接連携が図れず、中央がどのような情況になっているか判断できなかったのでしょう。隋による統一を経て、王朝は次第に文化的な方向を重視するように変わってゆきますが、ヤマト王権は半島南部をめぐる朝鮮諸国との競合のなかで、いまだに武力による統括・支配を企図していた。百済からの情報摂取により次第に武から文への移行を企てますが、文字をはじめ、儒教や仏教などの枠組み・内容を理解・消化するにはまだ日が浅く、種々の困難を生じていたものと思われます。