疫病が水と関係して考えられていたのは、中国だけなのでしょうか。同時期の他の地域では、別のものとの関連で語られていたこともあったのでしょうか。 / 疫病が水と関わるのは、病を患った患者の排泄物や死体が川に流れたりして感染が広まったからでしょうか。

低湿地帯が不衛生になり、疫病などの温床となることは、世界的に経験された知であろうと思います。南方地域などで河の水、池の水を飲んだりすると、一部腐っていて、下痢や発熱を起こすなどの事例もあります。江南周辺では、例えば三国時代赤壁の戦いの折、華北から進軍してきた曹操軍の軍営で疫病が発生するくだりがあります。湿気の多い江南の風土、長江の水や魚による中毒、寄生虫、水辺に棲息する毒蛇や毒虫など、種々の原因が考えられます。必ずしも、水が遺体などで汚染されたからではないと思います。