中国では、神と仙人は区別されていなかったのでしょうか。

中国での神霊は、本来人間を超越した存在でしたが、秦の始皇帝が「神」を名乗り「神殺し」を多々行ってから、漢代以降、人間化が進んでゆくことになります。天界にも冥界にも人間世界の秩序が投影され、同様の国家機構が存在すると考えられました。地上の王朝は天の王朝の反映でなければならないわけですが、現実の歴史過程はその逆で、地上の王朝に依拠して天界のイメージが作られていったわけです。そうしたなか、例えば地上の山川の神、祠廟の神も、かつて人間であったものがその功績や身体の清浄化の程度に応じ、神に任命されるという発想が始まりました。道教の神仙に対する考え方もその延長上にあり、神仙のなかにきっちりしたヒエラルキーがあって、それぞれのポジションが決まってゆくわけです。