肉食忌避、菜食主義、仏教の教えなどについて。

上記、多くの感想や質問をいただきました。次回丁寧にお話しすることにしますが、もしかしたら誤解をしているひとがいるかもしれないと思うのは、菜食主義がよい、肉食をするのはよくない、ということでは決してないということです。何を食べるか、何を食べないか、という選択は、人間の場合かなり文化的なもので、必ずしも生理的欲求に忠実になされるものではありません。いわゆる、禁忌=タブーの成立と関係があります。菜食主義も一種の「生命差別」であり、無条件に肉食者を攻撃することはできないでしょうが、しかし我々が哺乳類であることを考えるならば、民族社会のひとつの考え方に立って、「共食いを忌避するのだ」と正当化することはできます。いずれにしろ、この講義で扱ったことの本義は、自身が埋没する食生活の成り立ちに違和感を持つこと、いいかえると明確に自覚をすることです。肉や野菜がどのように生産されていて、そのなかに見出される暴力的過程を肯定するのか、あるいは批判するのか。次回は農業の問題も扱いますので、考えてみてください。