比叡山の植生は、近世からどのように回復してきたのでしょうか。国の政策ですか。

主に自生回復と思われます。第二次大戦の戦時供出により、列島の山林は再び大規模伐採を経験しますが、その後の高度経済成長期には林業活発化のため無計画なスギ林の植林が大規模に展開し、結果として現在、多くの山林の後輩や花粉症の流行を招いてしまっています。現地の生態系に依拠した植生回復などが図られてきたのは最近のこと、それも自然環境として貴重と思われる場所ばかりです。比叡山は、歴史的環境としては重要ですが、自然環境としては社会的・国家的に認知されなかったので、政策的な回復はなされなかったのでしょう。