埴輪が、手足を持つ人物埴輪になったのは5世紀中頃と聞きましたが、なぜ手足を作るようになったのですか。

手足が作られるようになるというより、神霊への供献物を載せる特殊器台が発展した円筒埴輪から、人物や動物などの形象埴輪が造られるようになったということでしょう。人物埴輪は、多くが古墳の被葬者とそれに近似する側近、采女、護衛する衛士・武官、馬と馬子などであり、配置もある程度決まっていて、被葬者の住む死者の世界を表現したもの、あるいは生前に生活していた様子を表現したものなどと考えられています。また造り出し部分には、当時の地域首長の代表的な祭儀であった水の祭祀を、ジオラマで再現したものなども見つかっていて、被葬者に対する儀礼や、被葬者が生前に行った種々の行事を再現したのだとみられています。後者とすれば、その功績を讃える一種の歴史叙述なのだといえるかもしれません。