古代ギリシャや古代エジプトで描かれた絵画では、人物像の顔に目や口や鼻があるのに、なぜ弥生時代の絵画には、人間にも動物にも顔が表現されていないのでしょうか。

これは面白いですね。単純に技術的な問題もあるでしょうが、確かに、人間にも動物にも目鼻がありません。縄文時代土偶や、土器絵画には存在するのに…。日本の弥生社会では、顔というものの持つ機能が、それほど重視されていなかったのかもしれません。これは、中国をはじめ多くの古代社会、あるいは民族社会において、例えば目が呪的な力を持つものとして多く造形されている点からすると、極めて不思議なことです。男女の区別は明確にされていますので、男であること/女であること、それぞれに適した労働を行うこと以外は、社会表象としての意義が希薄であった可能性があります。全体社会ですねえ。