仏教は外交のツールとして利用されたとのことだが、具体的にはどのように利用したのか。

まず、王権が仏教に奉仕しそれを支配地域に広げようとしている、という事実、王侯士大夫から庶民に至るまでが仏教を理解し信奉している、というポーズを示すことが必要なのです。それによって、隋が支配する東アジアのなかで、自国のポジションを引き上げることができる。また、仏教は総合科学・芸術ですので、そのエキスパートである僧侶には、多様な先進的知識・技術を持つ者がいる。そうした存在を招いて研究したり、あるいは自国でも僧侶を輩出し海外へ留学させ研鑽を積ませる。そのような交流が、政治的け・経済的な利益を構築してゆくこともあるわけです。