固有の民族文化を守ろうという現代の人々の上からな「保護意識」も、同じようなものに感じました。

サバルタンは語ることができない」、すなわち代弁の暴力という意味では、そのとおりです。しかし誤解してほしくないのは、国連の「先住民族の権利に関する国際連合宣言」は世界の先住民族が主体的に働きかけた結果として採択されたものであり、いわゆる「アイヌ新法」も、アイヌの人たちの努力の賜物であるということです。もちろん、アイヌの共同体のなかにはさまざまな政治的意見があり、対立や葛藤もみることができますが、少なくともわれわれには、彼らのさまざまな声に耳を傾け続ける責任があります。