2011-04-25から1日間の記事一覧
感情のような遺跡・遺物に明確な痕跡を残さないものを、文献資料が出現する以前の時代に分析するのは難しいですね。生存に不可欠な恐怖はまず存在したでしょうが、現在の基本をなす喜怒哀楽については分かりづらい面もあります。しかし、死者の再生を願うよ…
歴史学界にも多かれ少なかれ認められる現象ですが、考古学の世界では、出身大学や勤務先の機関によって研究者がある程度ランク付けされてしまう権威主義が強く、地方の埋蔵文化財研究所はそうした「巨人」たちに従属している情況がありました。また、埋蔵文…
詳しくは、提唱者である中尾佐助氏や佐々木良明氏の著書を参照してください。以下には、その特徴を簡単に列挙しておきます。【ナラ林文化】……堅果類(クリ、クルミ、トチ、ドングリ)や球根類(ウバユリ)の採集、サケ・マスの漁、トナカイ・シカ・クマ・海…
地域という視点から入るなら、まずは調べたい場所の自治体史(県史、市史)を探してみることですね。1980年代以降に刊行されたものなら、概ね巻頭に「自然環境」の章が設けられていると思います。そこで、当該地域の地質学的変遷を辿ることができるでしょう。
注記しなくて申し訳ありませんでした。前者は直木孝次郎『難波宮と難波津の研究』(吉川弘文館、1994年)、後者は川尻秋生編『将門記を読む』(吉川弘文館、2009年)です。
曖昧な話になりますが、何か大きな困難が生じて、それを克服するために文明が発展する、というパターンが認められると思います。古墳寒冷期の寒冷化の問題もそうでしょう。先行する温暖期に増加した人口を維持してゆくために、環境改変に耐えうる社会の仕組…