全学共通日本史(17秋)

愛国ということは、ある時期から右翼的であると捉えられがちで、敬遠されるようになった。しかし、一国として協力して社会を作りあげてゆくためには、国を愛する気持ちは不可欠であると思う。

「愛国」という言葉は非常に抽象的かつ曖昧なので、単に右翼的であるとか、逆に国家統合に必要であるとか判断すべきではなく、その言葉が、誰によってどのような文脈で何を目的に発せられたのかを、常に注意して考える必要があります。国民国家の政府が口に…

先生は、何か歴史上の物事や出来事を考えるとき、1つのことに対して2つの事実と思われる、または2つの見解があった場合、どちらをどのような方法で調べたり、考えたりしながら選びますか?

ありていにいえば、それが歴史学という学問の営為です。ただし現実は、研究者が過去に向かった場合、選択肢は二項対立ではなく、無数に枝分かれしています。また、選択肢として顕在化していない、可能性の状態でしかないものもたくさんあって、研究者であれ…