作中で声を得たカオナシが「さみしい」と主張するシーンがありますが、電車の影のような人々もさみしい存在なのでしょうか。

「さみしい」というセリフは、カオナシの過度の喪失感と依存性から発せられるのでしょうね。他の乗客たちは確かにさみしいでしょうが、それを埋めるために何かを求めよう、というアクティブささえも失ってしまっている様子です。生の猥雑さより、死の安らかさを求めているのでしょう。