なぜ、鹿のふんで母の霊は消えてしまうのでしょう。史料1にもあったように、何か燃やして、その煙で消えさせることもできたのではないでしょうか。

史料2のことでしょうか。これは鹿ではなく豚の糞ですね。これを焼くということは、恐らくは臭いや煙で撃退するということでしょうが、豚が中国でいう三牲のひとつ、典型的な犠牲獣であったこととも関連すると思われます。つまり、豚は祖先祭祀の供物として使われるんですね。それではなぜ牛や羊ではないのか、といわれると不明な点が多いですが、やはり三牲のなかでは不浄感のある獣で、亡霊にも嫌がられるという発想があったのかも知れません。