2008-04-11から1日間の記事一覧

「鬼」と「帰」の音が同じだというだけで、その漢字の持つイメージが合体するものなのか。中国語では違う発音のはずだが。

もっともな質問ですね。現代中国語では、「鬼」はgui(三声)、「帰」はgui(一声)です。古代的な音韻は不明ですが、音感が似ていたことは確かでしょう。4/18の講義で解説しますが、問題はこの二文字が連続して現れるフレーズです。最初は論理的な結合であ…

日本では、僧道昭が初の火葬の例といいますが、これは、史料1にみられる「鬼の之帰る」と似たような考えが広まりをみた結果といえるのでしょうか。

道昭の場合は、あくまで仏教の伝統的葬法に倣ったとみるべきでしょう。彼は唐へ留学して玄奘三蔵に師事しましたが、玄奘の周辺には西域の火葬情報が集積されていたと考えられます。当時の中国でも火葬は珍しくなく、玄奘自身も荼毘に付されています。道昭は…

なぜ、鹿のふんで母の霊は消えてしまうのでしょう。史料1にもあったように、何か燃やして、その煙で消えさせることもできたのではないでしょうか。

史料2のことでしょうか。これは鹿ではなく豚の糞ですね。これを焼くということは、恐らくは臭いや煙で撃退するということでしょうが、豚が中国でいう三牲のひとつ、典型的な犠牲獣であったこととも関連すると思われます。つまり、豚は祖先祭祀の供物として…

私たちは悪いことが起これば悪霊のせいにして、願いごとがあるときや重要な局面においては、「天国の○○が見てくれている」などと言います。これは、単に現代人の都合よい解釈なのでしょうか。

カトリック大学の立場からすると、答えるのに難しい質問ですね。要は信仰の問題でしょう。生きている我々の側に確とした信仰があれば、一概に「都合のよい解釈」とはいえないと思います。ただし、普段まったく忘却しているのに苦しいときの神頼みのように想…