当たり前だと思っていた自然豊かな風景が昔にはなく、むしろはげ山といった荒んだ風景であったというのにすごく驚きました。よく時代劇で森の中の決闘というのがあるけれど、あんな情景はなかったのでしょうか。山に身をかくすことはできませんね。
少し薬が効きすぎたかも知れませんが、日本の山々がすべてはげ山だったわけではありません。あくまで農村や都市の周辺ということですね。人里離れた奥山などには、とうぜん、楠や檜、櫪、楢、ブナなどの大木が生えていました。スクリーンに移した正保年間の「信州伊奈郡之絵図」にも、東西の奥まったところに、そうした木々の名が記された山が書かれています。