環状列石には、どのような石が使われたのでしょう。価値のあるものが使われたのではないでしょうか。

共通の特徴としてみえるのは、「川原石」であるということです。つまり、川の流れのなかで角が削られ、丸みを帯びた石です。やはり「丸」という形状に価値が認められたのかも知れませんが、「水」が重要な意味を持っていたようにも考えられます。前近代において清浄な流水を湛える川はやはり神秘的な存在で、祭祀の対象ともなってきました。アニミズム的世界観では、精霊の多く集まる場所ともされています。そうした川の水の作用を受けた石だからこそ、死者をめぐる祭儀において必要だったのかも知れません。