墨家というのは儒家と道家の中間的な立場であって、儒家とは対立していないのではないでしょうか。

実際に、墨家儒家を様々な局面で批判しています。例えば葬儀のありようについて。儒家は、礼的秩序を維持するために、王侯や士大夫ら統治階層の葬儀を盛大に行い、大量の副葬品を地中に埋納することを勧めます。しかし、墨家の考え方では人類の生産できる富の総量には限界があり、その貴重な富をいたずらに地中に埋めてしまうのは「浪費」以外の何ものでもないことになります。また歌舞や音楽についても、儒教は礼教を浸透させるものとして重視しますが、墨家はその維持のため民衆に負担を強いる罪悪にしかならないと否定しています。