琴を使った祭祀が具体的にイメージできないのですが、どのように使われていたのでしょう。

芸能と祭祀とは密接な関係があり、歴史の古い楽器はたいてい神祭りの道具に由来します。琴の使用は弥生時代まで遡ることができますが、『日本書紀神功皇后摂政前紀では、神功が仲哀天皇に祟りを降した神を知るために数多の神霊を呼び寄せ、体に憑依させて交信をするとき、神を呼ぶ道具として用いられています。神懸かり状態を創出するための調べを奏でる、祭祀の中心をなすような楽器であったと考えられます。