史料4で巨木を伐るときに用いる注連縄は、神様を封じる役割をしているのでしょうか。注連縄とはそういうものなのですか。

注連縄の本質的な機能は、結界を張って内/外を断絶させることです。現在、神木と崇められる樹木の周囲に張ってあるのも、それから先が神域であることを示し、安易な立ち入りを防ぐためです。しかし、史料的な初見である『古事記』や『日本書紀』の天石屋神話では、天石屋から出てきたアマテラスが元に戻れないよう、天児屋命らが「しりくめ縄」を引きめぐらしたとあります。つまり、注連縄の作る結界には神を拘束する力も備わっていたわけで(ゆえに結界として機能しうる)、史料4ではそのことが全面に出て語られているのでしょう。