スサノオの話ですが、そもそも、なぜ杉が鬚に由来し、なぜ造船材に選ばれたのでしょう。何か説得的な理由があるのでしょうか。

スサノオの体毛の部位と生じる樹木に必然的関係があるのか、といわれると、なかなか容易には答えることができません。しかし、現代の私たちには分からないような連想があったのだろうと思います。例えば、『古事記』に出てくるオホゲツヒメ神話では、スサノオに殺された女神の体の各部から栽培植物が化成しますが、この身体部位と植物との関係は古代朝鮮語の音韻による連想だとする説があります。用途については、実際の樹木の特徴と使いやすさから特定されていて、後に起源付けるような神話が創出されたのでしょう。