飛鳥諸宮における「重層」の意味がよく分かりませんでした。飛鳥板蓋宮などは、以前あった岡本宮を壊して建てたということでしょうか。それとも改築や増築を行っただけですか。

火災なども挟んでいますので、ケース・バイ・ケースですね。例えば岡本宮から板蓋宮への移行の場合、岡本宮は焼亡しているうえに自然地形に沿った方位で建てられていたので、南北方位の板蓋宮には建物の継承はありません。板蓋宮も火災に遭っているので、大規模な正殿などを擁した後岡本宮との継承関係は希薄なようです。しかしその後の浄御原宮は、後岡本宮の内郭部分を核にして修造を施し、さらに外郭部分の整備やエビノコ郭と呼ばれる新たな区画を加えて、より広範囲かつ機能分化した宮を構築しているようです。