須弥山石は解体可能とのことですが、どのような仕組みなのですか。 / 止水栓とは何でしょう。

別にポータブルということではなく、いろいろな場所に設営できるということで、組み立て式なのです。以前に配布したレジュメにも、『書紀』における須弥山石の史料を網羅しておきましたが、幾つか場所を移して設営されています。飛鳥寺の川原は貴族の子弟が集う広場になっていたようですので、その都度景勝の地を選んで建てられていたのかも知れません。ただし、発掘された須弥山石をみると、地下の木樋などから水を注入し(高い水源からサイフォンの原理で流し込んだものと推測されている)、一部は噴水として放出し、余った水は別の穴から地下へ排出する仕組みであったようです。かからの給水・排水設備が整っている場所でしか設営はできなかったわけですが、河辺などでは水流を利用した仕掛けも作られていたの可能性があります。ちなみに止水栓は、その開閉を通じて石内の水量を調節し、噴水の勢いや角度を変更するためのものだったと考えられています。