「3」という数字は、他にも三位一体や籤を3回引いたりさまざまなところで出てきますが、別段特別な意味は持っていないのではないでしょうか?

世界の習俗に「3」を表示するものが多いのは、ひとえにこの数字が世界を表す基本だからです。数学的にも物理学的にもそうなのですから、かかる知識は古くから判明していて、古代宗教にも反映しているのです。それ自体が特別な意味づけなんですね。三位一体ももちろん宇宙全体を表現する数字として出しているわけですし、籤を3回引くのは『易経』、さらにいえば古代殷帝国の骨卜にまで遡る発想で、連綿と受け継がれてきている占いのセオリーです。日本では、神が沖津宮中津宮辺津宮、もしくは夫・婦・子の三柱で表されることが多いですが、これも世界全体を表します。アマテラス・スサノヲ・ツクヨミ姉弟などは典型ですね。『霊異記』中24の三人の鬼は、卜占の3と日本的神の3が融合したもののようです。