県犬養三千代の系図の話で、近親婚が非常に多かったように感じたのですが、発達障害を持つ子供が生まれたりはしなかったのでしょうか。

そうした子供は確実に生まれていると思われますが、史料には明確に記されていません。ただし、生まれつき身体が虚弱だったり、精神に問題を抱えている天皇の記事はときおり記録にみられます。それでも維持されねばならない血統があったわけで、生物が従うべき種々の自然条件を、政治・文化が逸脱してゆくという典型でしょう。ここには、環境問題が生じてくる要因も隠されています。