ハクが最後に千尋と別れる際、現実世界でまた会おうというようなことを言ったというが、そこにはもうハクの居場所はない。ハクはそれを理解していなかったはずはないと思うが、なぜそんなことを言ったのだろうか。

いろいろな読み方ができると思いますので、何も正解を見つける必要はないでしょう。個人的には、これもアシタカの最後の台詞と同じ〈希望〉であると考えます。琥珀川は埋め立てられてしまったけれど、そこを流れていた水は、恐らくは地下水として巡っている。自然の力は、人間のみえないところで、その狭小な思惑を超えて息づいている。ハクが現実世界に戻ることが琥珀川の復活を意味するならば、それは、千尋たちが、再び琥珀色に輝く豊かな川と共に生きる社会を実現させることを暗示しているのではないでしょうか。