高校で日本史を学んでいたのですが、私の思想は少し右寄りになっている気がします。日本で学んだ日本史だからでしょうか。

近年の中学・高校教育では、「日本人としての誇りを育てる」ことが重要な指導項目として指示されています。高校での日本史は歴史学ではなく、国語に対応する国史ですから、そうした規制が働いても仕方ないのかも知れません。国民結集のためのアイデンティティーを歴史に求めることは、日本以外でも多く行われています。ただし、その観点から歴史が捏造されることがあってはなりません。国民の誇りを傷つける事実でも、それを受け止め自覚することが、本当の愛国心を育ててゆくはずです。歴史学は、あらゆる地域、あらゆる時代の人間・文化・社会を学んでゆくことで、絶対的な価値観の否定、世界の多様性の認識を要請します。自分のなかに作り上げられた既成の枠組みを壊してゆくのも楽しいと思いますよ。新たな世界がみえてくるはずです。