魔除け・雷避けに緋・丹などの赤色が使われていたのが興味深かったです。秦氏が丹の製造に関わっていたとのことですが、それが呪術用に使われていたと直接書いてある書物などはあるのでしょうか。

朱砂や丹の生産については、次回以降に詳しく説明しますが、「秦氏が生産した朱丹を呪術に用いていた」と直接的に示す史料はありません。ただし、彼らが生産に関与していたことは、鉱山や山地の分布と秦氏の分布の重複、赤染氏など朱丹に直接関わる氏族との密接な繋がり、朱丹を用いる技術者である画工や仏工を輩出していることなどからある程度立証できます。施朱の習俗は秦氏の渡来前から存在しますので、避邪としての赤色使用を秦氏のみに結びつけるのは無理があるようにも思います。