脱皮する蛇といい、オタマジャクシから変態するカエルといい、やはり変態するものには神聖視される場合が多いですね。それは偏に、満ち欠けする月のように、変態を死と再生のありさまと捉えたからでしょう。日本に限らず、自然の法則を〈生から死、死から再生へのサイクル〉と捉えている地域、民族は多いと思います。彼らはそれを象徴する何かを祭祀体系のなかに取り込み、自分たちの勢力/精力の減退を抑止し、復活させようとしました。縄文時代以来、蛇やカエル、あるいは生殖力が強いウサギなどが様々にシンボル化され、生活のなかに配置されています。蚕や蝶にもそのような視線が向けられたのでしょう。