六道絵の「人道不浄相幅」で、遺棄葬には犬や鳥の働きが重要とのことでしたが、当時の犬はペットとしてより屍体処理の役割が大きかったのでしょうか?

屍体処理に活躍するのは、現在でいう野良犬ですね。犬は縄文時代から人間とパートナーシップを結んでいたようですが、平安貴族社会においては、ペットとして愛玩される存在ではなかったようです。以前講義でも話をしましたが、例えば犬を飼って屯倉や宮城の警備に当たる犬養という氏族もあり、退魔の力をも持つ動物として番犬には利用されていたようです。