月神はなぜ壱岐県主、卜部らに祀られているのでしょう。占いと月とは関係があるのですか。

「月読」は農事暦に関連しますが、月の色などを何らかの予兆とみる卜占的な風習は世界各地にあったようです。壱岐氏が月を信仰するのは、やはり海上交通のよるべとしてでしょうが、現地にはやはり航海の安全を祈る卜占が発達していました。遣唐使の渡海の際にも、壱岐が卜占を担ったことが記録に残っています。月神を祀る壱岐が同時に亀卜も担うというだけで、元来、両者に有機的な繋がりはなかったものと思われます。