なぜ、古代の人々はそこまで占いに固執したのでしょうか?

誰かのリアクションにもありましたが、やはり卜占が科学のひとつであったからです。実学的な知識や技術では対処できない問題が発生したときに、卜占や祭祀を通じて困難を打開しようとした。卜占は、古代人や古代国家が、厳しい自然環境、社会情況のなかで生き残るために必要不可欠なツールであったと思われます。今でこそ、占いは個人の欲望を満たすために機能している面もありますが、例えば卜書の代表ともいえる『易経』には、天・地・人の機運に違うことがないよう自戒させる言葉が頻出します。一歩間違えば自分が命を落とすばかりか、一族や国家が滅亡してしまうという過酷な時代にあって、卜占は慎重な言動を醸成するためにも大きく機能していたと考えられます。