2009-10-14から1日間の記事一覧
はい、太占は鹿の骨を用いて行う骨卜ですね。方法は、基本的に亀卜と同じです。講義でお話ししたように、弥生時代までの日本列島の骨卜は、猪や鹿の肩胛骨を用いるのが普通でした。古墳時代になると、大陸から新しく亀卜の技術がもたらされるのです。それ以…
よく誤解されるのですが、碑文などでとる拓本と、魚拓などでは微妙に方法が異なるのです。後者は魚に直接墨を付けますが、前者ではそういうことはしません。学芸員過程の授業を受けると実習があると思いますが、碑文などの表面に画仙紙を貼り付けて水で濡ら…
前近代社会、民族社会においては、必ずといっていいほど存在する知識であり、概念であろうと思います。ヨーロッパはキリスト教色が強いですが、基層的な部分には長くアニミズム的信仰が息づいてきました。近世史家のカルロ・ギンズブルグによれば、異端審問…
旧石器などの古い時代では、神的なものへ伺いを立てたい特別な情況でしか使用しなかったでしょうが、殷代には日常茶飯事、毎日毎日何度も何度も、王の一挙手一投足や国家の運営に関して飽きるほど熱卜を繰り返していたようです。例えば「旬卜」という方法が…
リアクションにも推測されていましたが、同じ見解が2つ出るまで卜占を繰り返したのでしょう。しかし、王の元卜がなされた場合、その結果が取られることもあったと考えられます。ケース・バイ・ケースでしょうね。しかし、甲骨文をみてみると、王の占断した…
玉亀の方が宝物的価値が高いので、コストも実物より高くつきますね。この作成は、それこそ祭具の付加価値を付け神聖性を増すためであったと思われます。
例えば、よく誤解されるのですが、陰陽道は日本オリジナルのものなんですよ。確かに陰陽説や五行説は中国伝来の概念ですし、式盤などの道具も中国に原型がありますが、それらをもとにして大成された「陰陽道」という哲学体系・呪術体系は、日本にしか存在し…
誰かのリアクションにもありましたが、やはり卜占が科学のひとつであったからです。実学的な知識や技術では対処できない問題が発生したときに、卜占や祭祀を通じて困難を打開しようとした。卜占は、古代人や古代国家が、厳しい自然環境、社会情況のなかで生…
殷代に用いられたカメはほとんど20㎝程度のクサガメやハナガメで、東アジアの池沼や湿地などに普通に生息しているものです。マレーシア産の大亀が1例だけみつかっていますが、それらを除けばそれほど貴重な「素材」ではなかったでしょう。甲骨のなかには「…
アニミズムが宗教的観念の基本をなしている世界では、動物の本体はそれに宿っている精霊であり、皮や肉体は、その精霊がまとっている衣服のようなものに過ぎないという考え方があります。よって、信仰する動物が捕獲や食肉の対象となることはまったく不思議…
アニミズム的世界においては、動物の本体は、その肉身に宿っている精霊です。ゆえに亀卜とは、その精霊に働きかけて託宣を得る(声を聞く)ものなのです。『史記』亀策列伝でも、卜官は、亀に「玉霊夫子」と呼びかけています。これは、中国の少数民族に残る…
いや、分かりませんよ。歴代内閣を動かしてきた占い師が、新宿や銀座にいるかも…。まあそれはそれとして、大部分は後付けの解釈の問題でしょう。あのときこういうことがあったけど、これは占いに出ていたことだったんだ…などなど。祟りの災因論的な機能もそ…