日本では山や川がそのまま神であるという発想が多いのに対し、中国では蛇などの生き物が神として崇拝されている例が多い気がします。朝鮮半島の影響でしょうか?

必ずしもそういうわけではありません。おそらく、現在表層的に把握できる相違は、アニミズムの歴史段階の相違や、どの時期の史料が豊富に残っているかによって生じているものでしょう。中国でも山や川そのままを神と崇める事例は確認できます。著名な五岳信仰なども、もともとは山を祖神とするトーテム信仰だったようです。これから折に触れて紹介してゆきますが、日本でも蛇など具体的な動物を信仰する神話、伝説などは非常に多く残っています。