西洋の神話研究で、『旧約聖書』や『グリム童話』に出て来る蛙はエロティシズムの象徴とありました。日本ではそのような見方はなかったのですか。

もちろん、死と再生のシンボルである蛙は、エロティシズムの象徴でもあります。兎と同じことです。長野県藤内遺跡、神奈川県大日原遺跡などから、背中に女性性器らしきものを背負った蛙紋様の縄文土器が発見されています。蛇が男性象徴であるのに対して、蛙が女性象徴というのは、神話的に非常に興味深いところです。