子供を攫うのが「鷲」であることに、何か特別な意味はあったのでしょうか。

鷲は、世界中で一般的にみられた最大の猛禽のひとつですので、人間の子供をさらってゆくには、大きさ・強さとも最も自然であるとみられたのでしょう。実際にそうした事件があったのかも知れません。しかしその根底には、例えばアジアの穂落し神やヨーロッパのコウノトリ伝説にみるように、鳥が天空から生命を運んでくるという神話的思考が存在したのだと思います。やはり、異常出生譚の一類型なのでしょう。