実際に、身分の高い人で遺棄葬を望んだ人はいたのでしょうか?

死体の遺棄は「捨身行」という自己犠牲の布施行に結びつきますので、そうした観点から望んだ人はいたでしょうが、現実に実行した天皇、貴族がいたとの記録はありません。嵯峨天皇淳和天皇は散骨をしていますし、浄土真宗の開祖親鸞などのように、「死んだら賀茂川に流して魚に与えてくれ」と遺言した事例もあります。ただし親鸞の場合は実際には行われず、嵯峨らの事例も例外的だったと思われます。