ユーラシア大陸に半ば普遍的に確認できるシャーマニズムの痕跡、冥界訪問譚などの神話は、アフリカ、南アメリカ、オセアニアなど、伝播しづらい地域にも確認できるのでしょうか。

シャーマンがシャーマンとして覚醒するまでのプロセスを「成巫過程」、それが神話・伝承化したもの、あるいはライフ・ヒストリーとして聞き取られたものを「成巫譚」と呼びます。冥界訪問などのモチーフは、多くこの「成巫譚」に現れます。不勉強なのであまり正確なことはいえませんが、ユーラシア以外の上記地域でも、類似の成巫譚は採取されているはずです。その普遍性にも注目すべきですが、現在は逆にその差異、地域的・民族文化的な多様性の方に関心が集まっています。