亀に関する属性は、何のために区別されていたのでしょう。複数の条件を満たしていた場合には、どのように弁別したのでしょう。 / 亀の属性について、「玄」「黒」が分けられていましたが、どう違うのでしょう。

これについては分からないことが多いですね。実のところをいうと、『周礼』の記事やそれに関する鄭玄注が、本当に戦国時代や漢代の実態を反映しているのかどうか、立証できる材料はあまりないのです。確かに、何の根拠もなく記事が創作されたり、あるいはそれを注釈したりすることもないはずなのですが、とくに上記のような細かな問題に関しては、他に比較しうる史料が少ないので厄介です。講義でもお話ししたように、恐らく亀人も世襲制で、家や氏族に受け継がれている特殊な知識があったはずで、そうした成文化されない知の世界が重要であったのだとは考えられますが…。ちなみに玄と黒の相違ですが、視覚的には、赤色や黄色の混じった黒色と説明されます。ただしより重要なのは五行の水属にカテゴライズされている点で、その属性との関係で考えることが多いのではないかと思われます。