占いに依存していた時代と比べて、「占いの結果を選択する」ということが許されるようになった背景には、何かきっかけがあるのでしょうか。 / 神社のおみくじは何度引いてもよい、との話を聞きました。これは本当なのでしょうか。

いうなれば、卜占の「政治化」ということになるのかも知れません。戦国時代の複雑な政治情況は、一方で神霊的なものへの希求を強くしましたが、実際の政治の場では、より現実的な知識や臨機応変な対処が不可欠になってきました。政治的顧問の地位も史官や卜官から賢人宰相へ移りますので、彼らが卜占の結果をさらに忖度するという形が作られてゆくのでしょう。ひとつひとつの卜占における権威の低下は、そのまま卜官=史官の権威の低下にも繋がります。彼らは次第に、歴史的知識の引き出しにしか過ぎなくなってゆくのかも知れません。